アブダラと空飛ぶ絨毯 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ 徳間書店

なぜハウルの動く城2なのかわからなかったけど、最後で納得。
話のお終い付近でどたばたと決着がついていくのが心地よいです。面白いし、騙された!
ところどころにディズニーの「アラジン」というアニメの影響が見えますが、それもいいかもしれないな。

緋色の檻 橘香いくの コバルト文庫

有閑探偵コラリーとフェリックスの冒険シリーズの15冊目くらい。
非常にコバルトらしい作品で、わたしは大好きです。バカでお人よしで元気だけがとりえ!な少女(あとお金持ちでもあるけど庶民育ち)が主人公。恋人は美形だけど変人で、それは幼少期のトラウマが原因で、今回そのトラウマを克服するために実の兄のところに乗り込んでいくけど、ヘマやって捕らわれの身に。でも、コラリーと、コラリーに言い寄ってるこれまた美形の怪盗で革命家な青年(紳士的なんだけど、ときどき抑えきれない愛がもれちゃう、みたいな?この辺が少女漫画的です。男性的な立場で見ると、たぶんこの怪盗に自分を重ねてしまうと、大変主人公にむかつくとおもいます。冬ソナでいえば、サンヒョク)がともに助け出そうとするのでした。
わたしがこの話を好きなのは、コラリーがバカで、結局フェリックスのことが大好きだからですな。三角関係なんだけど、なんというか、怪盗氏に勝ち目なしなのです。これで怪盗氏とのあいだで揺れるようだったらあんまり好きじゃないと思う。

外科医東盛玲の所見 池田さとみ ソノラマコミック文庫

霊感とか不思議なものを見る力があるんだけど、それを全くまわりに気づかせず、「あの先生リアリストだから〜」とか患者さんに言われてる外科医の先生の話。霊感のある看護婦さんとの恋愛話もあるけど、全然進展しません。心の傷を抱えた患者さんが霊とかかわって成長する話が多いな。先生達はそれを手助けしたりする。まとめて読むとちょっと飽きるかも、似たような話が続いたりするから(立て続けに、本来の姿とは別の姿が見える話とかが掲載されたりしてた)。絵がのびのびとしてて好きです。書き込みが少なくてすかすかしてるんですが、無駄を省いた感じでよい。

ドリームバスター1、2 宮部みゆき 徳間書店

なんだか、ネットで掲載してたみたい。まあ、どちらでもいいです。上下巻だと思ってたら、まだまだ続くようです。やられた。なんだか壮大な物語になるようです。まだまだはじまったばかりっぽい。SFという分野に入るようです。なんか変な設定なんだけど、細かい所がリアルで入り込めてしまう。
異世界と地球がつながってて、異世界の人たちは体を捨てて電気信号になって、地球人の夢の中に入ってくるのです。そして、逃げた死刑囚達を追いかけるて捕まえるのです。
その死刑囚達は地球人たちの心の隙間をついてくるので、そのあたりはトラウマ解消物語とか、心や記憶の謎を追及していく過程などミステリっぽいし、それとは別に異世界の方の世界の裏組織やら怪しげな研究所や研究者達とか(研究者なんて最初の方で話には登るのに実際にはまだ登場してないし)との係わりとか、悪の組織と戦おう!的な(まとめすぎ)話の面白さもあってよいと思います。
これから話が大きくなりそうな所で2巻が終わりました。続き楽しみだなあ。どのくらい続くのかしら。

エマ4 森薫 Beam comix

メイドさんとジェントルマンの身分違いの恋話。
作者の、コルセットをしめるシーンへの気合の入り方とかが見所です。大ゴマつかってるし。アップも忘れないし。全体的に丁寧ですきです。背景やレースなどの書き込みも丁寧だし、話の進め方も丁寧だ。ドレスのレースやフリルなども、見てて感動しちゃうくらいちまちまと描かれてるのです。トーンを貼るのだけ人にお願いしてるって書いてあったから、自分で書いてるのですよ。すごいなあ。
さて、2巻で離れ離れになって、3巻で男の方が自暴自棄になっちゃったのですが、4巻で見るからにレディになってヒロインが男の目の前に登場。麗しのサブリナですか?シンデレラですか?基本だ!(大好きだ!)再会したのが男の婚約発表パーティーってところもベタですが、ドキドキしちゃいますね。描いてるのは女の方ですが、読んでるのはどんな人たちなんだろう。誰がどのへんに反応してるんだろうなあ?わたしは、そのべたべたな昼メロっぽいストーリーがすきなのですが。ヴィクトリアな風景とか、メイドさんたちとか、いろいろありそう。

夏の残像(シーン) ごとうしのぶ ルビー文庫

タクミくんシリーズ。やおい入門書とか言われてるシリーズの最新刊です。1年半ぶりだそうです。わたし、前回の話を全く忘れてるようだ…。最近、このひと体言どめが多くなったのでとても読みにくいです。もう一度読み直す気にはならないな。主人公が違う人たちになってきちゃってるしなあ。まあ、恋愛物といえば、くっつくまでが面白くて、くっついた後は横恋慕なひとが時々入って「でも君が一番だよ!」とかいっておしまいで、あとは周りの人たちにおせっかいをかけるくらいしかできることないよなあ。また、この主人公達は特に余裕ぶっこいてるので、波風立ちようがないし。
でも買ってしまうのは、基本中の基本だからです。少女漫画的だからです。いつか終わるはずの楽園物だからです。終わることを時々恐れながら今の幸せを大切にする話だからです。

ハチミツとクローバー 羽海野チカ クイーンズコミックス

これは大好き。
シリアスとギャグの格差も格別です。ギャグ部分がはっちゃけすぎてる気がしないでもないけど。
なんというか、心理的に痛い所をついてくるのが読んでていい刺激です。あと、アーこういう青春を送ってみたかったなあってのもありますな。アメリカの青春ドラマを見てるような感じだ。
わたしは1巻を読んだ時、この漫画の主人公ははぐと森田と竹本の3人かと思ってたんだけど、山田さんの話がすごく印象に残るなあ。痛いからだろうケド。
なんかこう、じわじわとしたやるせなさとかもどかしさとかが丁寧にかかれてて、読んでて気持ちいいです。